tears'blue
「見て〜碧!」
碧っていうのか…。
カブってんじゃん。
葵衣は なんと、今頃 彼の名前を知った。
「ジャーン!」
美春が葵衣の肩に手を置いて言った。
「おー!可愛いじゃん!」
恥ずかしがるそぶりも見せず、碧という男は言った。
何だか そんなに真っ直ぐ言われると、逆にこっちが恥ずかしい。
葵衣は視線を碧から外した。
「ほら行くぞ!」
そう言われたかと思うと、手首を掴まれた。
「えっ…!?ちょっと…!」
碧に引っ張られてオフィスを出ようとしたとき、突然 碧は立ち止まった。
止まり切れず、ぶつかる。
「痛…。」