tears'blue


「これから四葉のクローバー探しに行くんだ。…十葉も行く?」


碧の問いに、十葉は首を横に振った。


「…そっか。
葵衣、行くぞ。」


そう言って葵衣の手を掴み、碧は歩き出した。


その横顔は少し切なげで、なんだか胸が苦しくなった。






「…あれ。
河原とか行くんじゃないの?」


葵衣が言うのも無理はない。


碧がエレベーターのボタンを押した場所は、3.4階という、意味の分からないところだったのだから。


「何なの?3.4階って…。」


「ほとんどが三葉だけど、四葉もあるよ、の3.4階。」


「………………。」


「四葉がある確率は、そこらへんの河原と同じだよ。」


「確率って…。」


「まぁいいじゃん。探すぞ!」


そう言って、碧は大量のクローバーの中に飛び込んだ。


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