tears'blue


「居た、リーヒー。」


ライムが言った。



…リーヒーて。


リーフィでしょ。


「お、リーフィ!」


碧が言うと、リーフィという、緑色のワンピースを着た女性がギロッと睨んだ。


「誰が幼稚園児だって〜?」


先程の会話を聞いていたようだ。


「…あれ?リーフィ…さんって日本人…ですよね?」


葵衣が不思議そうに訊く。


「日本人?」


リーフィが怪訝な顔をして訊き返す。


「あっ…あぁっ…!
リーフィは日本人だよ!
だよな?リーフィ!…な!?」


碧が割って入る。


「…フン、今日のディナーは碧が取ってきてよね。」


何やら耳打ちをしている。


葵衣が不審そうな顔で見ていると、リーフィはニッコリ笑って言った。


「リーフィはニックネームみたいなものよ。本当は緑花っていうの。よろしくね、葵衣ちゃん。」


「りょくかさん…。」


「言いにくいでしょ?だから、皆 リーフィって呼んでるの。」


もう一度ニッコリ微笑んだ後、緑花は碧をキッと睨みつけた。


< 30 / 56 >

この作品をシェア

pagetop