tears'blue


「姫の機嫌、損なっちまったみてーだなっ。」


葵衣の耳元で囁く碧に、葵衣はクスッと笑った。



「リーヒー、アウォイ、欲しい、四葉。」


ライムが言った。


「…しかし、ライム 本当に日本語上手くならないねー。」


緑花が言うと、ライムがすかさず反論した。


「ナリタイとも思わネ。」


「ときどき生意気なんだよな〜。」


緑花は腕を組み、右手を顎にもっていく。


「…なぁ、四葉くれよ。」


碧が言う。


「…駄目よ。何に使うの。」


「…ティアーズ ブルー。」


「ティアーズ…ブルーを…?彼女に?」


緑花は目を見開いて驚いている。


「…ああ。」


その返答を聞いて、緑花は溜め息混じりに呟いた。


「馬鹿げてる…。」


「分かってる。」


「………………。」


緑花は自分の背丈程のクローバーを触りながら、黙り込んでしまった。


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