tears'blue


「美春や十葉は知ってるの?」


ずっと黙っていた緑花が口を開いた。


「知ってる。」


「…碧。ティアーズ ブルーは基礎以外に、独自のブレンドをしなくちゃならないわ。」


「ああ、今 美春が試行錯誤してる。」


「…そう。」


「…四葉、くれるか…?」


碧は躊躇いがちに尋ねた。


「…まだなの。」


「え?」


碧の疑問符には答えず、緑花は葵衣の方へと近付いた。


「…知ってる?世界には、あなただけのクローバーがあるの。
それは、あなたの心とシンクロしていて、あなたが幸せならクローバーも四葉になる。…だけど、今のあなたは幸せじゃない。」


「世界には…何十億もの人が居るんですよ…?そのひとりひとりに四葉があるとでも…?」


葵衣は信じられる訳が無いとでも言うように言った。


「違うわ。ひとりひとりに四葉がある訳じゃない。
ひとりひとりに、四葉になる可能性を持ったクローバーがあるという意味よ。…幸せになる可能性は、誰にだってあるでしょう?」


「………………。」


葵衣は、それ以上 何も言えなくなってしまった。


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