tears'blue
エレベーターに乗り込み、碧が押したのは最上階だった。
…まぁ…月と太陽だから…か。
葵衣も何となく解ってきたようだった。
「あ〜…怖ぇなぁ…。」
碧が、足でバタバタとせわしなく緑色の絨毯が敷かれた床を蹴る。
そんな碧を、葵衣は横目でチラリと見たが、声は掛けなかった。
容赦なく、てんとう虫が最上階へと登っていく。
「…あっ!」
葵衣が小さく叫んだ。
てんとう虫が何処かへ飛んで行ってしまったのだ。
ティラリラリーン・・☆
てんとう虫に気を取られていると、なんとも美しい音色が聞こえ、エレベーターの扉が開いた。
そこに広がっていたのは、まるで山奥にでも来たのかと錯覚する程に、綺麗な綺麗な夜空であった。
月は低くて大きく、星は手が届きそうな程 近い。
葵衣が感嘆の声を洩らすと、夜空から星が…降ってきた…!?