tears'blue
「ただいま〜!疲れた〜。」
「あら、お疲れ様。」
茶色いフレームのオシャレ眼鏡を掛けた、上司風の美しい女性が自分のデスクから離れ、2人分のコーヒーを煎れに向かった。
「どう?アンケートは集まった?」
コーヒーを煎れながら、彼女は2人の若い男に尋ねた。
「結構 集まりましたよ。
…ね、碧くん。」
緑色の目をした若い男は、青目の男…碧【アオ】に相槌を求めた。
「ん、まぁな。
これから目ェ通すわ。」
「そう。…はい、コーヒー。」
女性は湯気の立つマグカップを2つ持ち、片方を碧に渡した。
「サンキュ。」
そう言ってズズッと一口飲むと、碧はくるりと踵を返し、自分のデスクに戻った。
「…はい、十葉。」
そう言って、女性はもう1つを緑色の目をした男に渡した。
「ありがと、美春さん!」
礼を言われた美春は、ニコリと笑ってみせた。
緑色の目をした男…十葉【トバ】もズズッと すすると言った。
「やっぱり美春さんの煎れてくれたコーヒーは美味しいなぁ♪」
「…見掛けによらずブラック派だもんね〜。可愛い顔してるのに…。」
「へへっ」