tears'blue


「あっ…あのっ…
いつも見てたって…?
どこかでお会いしましたっけ?」


こんな綺麗な男性、一度見たら忘れないはずなんだけどなぁ…。



そう思いながらも訊いてみた。


「ふふっ 内緒。」


悪戯な笑みを浮かべて、琥珀は言った。


「琥珀!
月のしずくが欲しいんだ!」


今の今まで黙っていた碧が、唐突に口を開いた。


「…美春に頼まれたのか?」


急に冷たい口調になり、琥珀は碧を見下ろした。


背丈が180以上はあると思われる琥珀の威圧は圧巻である。


「違う…俺が必要なんだ…。」


碧も負けじと言い返す。


「…ならば論外だ。」


急に碧を覆っていた黒い影が消えた。


「…へ?」


「男にやる しずくは無い!」


「どぇ〜!?」


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