tears'blue


くるりと反転し、戻っていく。


「ちょっ…待てよ琥珀…!
必要なんだ!ティアーズ ブルーに!」


「!」


碧に背を向けたまま、琥珀は立ち止まった。


「ティアーズ ブルーを…?」


「ああ。」


「…お前の命を賭けて。」


「そうだ。」


碧の瞳は、真っ直ぐ琥珀の背中を見ていた。


その視線に応えるかのように、琥珀はゆっくりと振り返った。


「…葵衣の為に?」


星の子達と戯れる葵衣を見ながら、琥珀は切なげに尋ねた。


「葵衣の為に。」


碧も彼女を見ながら、落ち着いた声で言う。


「…そうか。」


少し俯いてそれだけ言うと、琥珀はフッと笑って透明の小瓶を碧に向かって投げた。


その小瓶の中には、透明に近い黄色の、淡く、しかし透き通った、なんとも美しい液体が入っていた。


「…美春に言っておいてくれ。
陽が怒っているのは、君をまだ想っているからだと…。」


そう言って、琥珀は切なく微笑んだ。


「…ああ、伝えておく。」


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