tears'blue
「もうすぐ夜が明ける。
陽が顔を出す前に下りろ。」
「ああ。…サンキュ、琥珀。」
碧が言うと、琥珀は深い瞬きで応え、言った。
「…さぁ、行け。」
その言葉を背に、碧は走り出した。
葵衣の元へ。
「葵衣!行くぞ!」
「えっ!?」
星の子達とキラキラ星を合唱していた葵衣の腕を掴み、碧はエレベーターへ駆け寄る。
現在のエレベーターの位置は、1階。
「碧!あと2分で陽が起きる!」
背後で琥珀が叫ぶ。
「くっそ…上がれ上がれ上がれ…!」
【下】のボタンを拳で何度も押す碧に、葵衣は怪訝な顔をして尋ねた。
「どうしたのよ。
何でそんなに焦ってるわけ?」