tears'blue
ゆっくりと上に上がっていく最上階の景色が見えなくなる直前、星の子達が一斉に跳んだ。
…いや、跳んだというよりも、上から引っ張られたという表現の方が近いだろう。
なるほど、先程のテグスか。
そして、お空に還った星の子達は、キラキラ輝くお星様になりましたとさ、ちゃんちゃん♪
…え!?
「何 今の!?」
葵衣がクワッと目を見開き、碧に問いただす。
「いや…見間違いだろ…?」
半笑いで誤魔化す碧に、葵衣はハァッと怒りの溜め息を吐いた。
何を訊いても無駄らしい。
葵衣は腕を組み、透明のエレベーターの壁に背を預けた。
パンパカパーン・・★
無意味に軽快な音も、今の葵衣にとっては苛立たしい。
ジロリと碧を睨んだ。
その視線に、碧はビクッと体を揺らし、そそくさとエレベーターを出た。
葵衣が出る際に、4989階という異常な数字が目に入る。
「…四苦八苦、か。」
そうそう。
どうやら葵衣も慣れてきたようだ。
「あほらし…。」
捨て台詞を吐いて、葵衣はオフィスに入った。