tears'blue


黄緑色に変わったハーブティーを、再び口に含む。


「ん!…ん?」


口の中に広がる味が、絶えず変わっていく。


マスカットからスウィーティー


青りんごからキウイ


メロン…から…キュウリ…?


レタス…から…あっ…青汁ー!?


急に苦くなったハーブティーを、葵衣は勢いよく飲み込んだ。


器官に入ったのか むせていると、十葉が背中を撫でてくれた。


「大丈夫!?もしかして、ずっと口に含んでた!?」


十葉の問いに、葵衣はカクカクと頷く。


「このハーブティーはね、本当はすごく苦いんだ。
だから、甘いものでコーティングしてあるんだよ。」


「ケホッ・・ェホッ・・
そっ…なんっ…だ…ゲホッ・・」


「だ…大丈夫…?ごめんね?」


十葉が不安げに顔を覗き込む。


「これ、飲んで。」


そう言って、今度は淡い紫色に変わったハーブティーを差し出した。


< 48 / 56 >

この作品をシェア

pagetop