tears'blue
涙目になりながら、不安げに十葉を見上げる。
それに気付いたのか、十葉は優しく微笑んで「大丈夫だよ。」と言った。
そろりと口に運ぶ。
それは、今までのフルーティーな味では無く、花の香りが口いっぱいに広がった。
トップはラベンダー。
次にジャスミンが広がり…
パッションフルーツの弾けた味。
そして、ザクロの甘酸っぱさと、次々に変わっていく。
花の香りからフルーツへと、それはそれは滑らかに変化していく。
「飲み込んで!」
十葉の声にハッとして、葵衣は慌てて飲み込んだ。
「…大丈夫だった?
もうちょっとで紫キャベツになるとこだったよ…。」
おぉ、危ない危ない…。
そして再びカップに目を落とすと、ハーブティーは透き通った、透明に近いブルーに変化していた。