tears'blue
「今度は何かな…。」
少しワクワクして口に運ぶが、口に含んだ途端、葵衣の思考も動作も、全て停まることになる。
「………………。」
今までと明らかに違う味。
これは…
「涙の味…?」
切なげに見上げると、十葉も少し困った顔をして笑った。
「飲む人によって味は変わるんだけど…葵衣さんには涙の味に変わったみたいだね…。」
「………………。」
葵衣が黙って俯いていると、碧がカップを奪って一口飲んだ。
「…ほら。これが俺の味!」
そう言って、淡く透き通った、綺麗なブルーになったカップを差し出す。
それを、葵衣は躊躇いながらも一口飲んだ。