tears'blue
「どれを取るかはお前次第だけどな、心して選べよ?」
真剣な表情で言う碧に、葵衣は恐怖を感じた。
「な…何で…?」
葵衣が訊くと、碧は体制を立て直し、静かに口を開いた。
「雫の実はな、いわば涙だ。」
そのまんま!?
「この実、同じように見えて、実は一つ一つ違う。」
ほぉ。
「だから、悲し涙もあれば嬉し涙もある訳だ。」
なるほど。
「嬉し涙を取れっ!」
いきなり無理難題ー!?
「え、無理だよっ!
勘でしょ?無理無理!」
葵衣が言うと、碧はニカッと笑った。
「出来る出来る!」
碧の無茶な命令も、出来ると言われたら出来る気がして。
葵衣は悩んだ末、一つの実をもぎ取った。