tears'blue


「美春、決めた!」


「え〜?」


「次の香水!
【tears' blue】だ!」


「…碧、それって……。」


「駄目だよ碧くん!
スカイ フラワーを使うんでしょ!?」


十葉が止めに入る。


「…ああ。」


神妙な顔付きで碧は頷いた。


「…どうしてもティアーズ ブルーを作るの?」


美春が真剣な顔で訊く。


「…ああ。」


碧は、真っ直ぐ2人を見つめて応えた。


「…そう、分かった。」


美春は前髪をかき上げながら、溜め息混じりに応えた。


「そんなっ…!美春さんまで…!
…駄目だよ碧くん!スカイ フラワーを使ったらどうなるか分かってるの?」


「…分かってる。」


「僕は嫌だよ!
絶対反対だからね!」


そう言って、十葉はオフィスを出て行ってしまった。


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