tears'blue
「ちょっと葵衣、出て〜!」
洗濯物を取り入れる母が叫ぶ。
渋々 玄関に向かってドアを開ける。
そこには、あの青目の男が立っていた。
「こんにちは。」
男は優しく微笑んだ。
「あの…あたしの回答が採用されたって、本当?」
葵衣は信じられず、思わず尋ねた。
「本当。」
「…何で?
だって適当に書いたのに…。」
「適当?」
男は青い目を真ん丸くさせ、小首を傾げた。
「そう、適当。」
葵衣が言うと、男は反対方向に小首を傾げ、言った。
「でも、青のイメージは適当じゃなかったよね?」
「………………。」
葵衣が俯くと、男は優しく尋ねた。
「何か嫌な思い出でもあるの?」
その言葉に、葵衣はキッと男を睨み、叫んだ。
「嫌なことだらけよ!
青なんて大っ嫌い!!」