-部恋。Round.03-
大きく息を吐いてインターホンを押した。
ん?ていうかインターホン押さずに勇介にメールすれば良かった!?
お母さん出てきたら気まずい!??
だめだ!ミスした!
頭の中、パニックでフラフラしていたけど、ドアが開いたら驚いた様子もなく勇介が出てきた。
「なに突っ立ってんの。入れよ。」
「勇介…、あたし今日ダメだ…。」
「は?なにが(笑)?」
綺麗な玄関は爽やかな花の匂いがした。
そして少しだけ勇介の匂いもする気がする。
優しい気持ちになる落ち着く空間だ。
「穂波~。愛奈きたぞー?」
勇介が2階の方に声をかける。
ものすごい物音がしたと思ったら、勢いよく階段を駆け下りる音…。
「愛奈ちゃーん!やっと会えた~!」
「穂波ちゃんだぁ!」
嬉しそうに歓迎してくれた穂波ちゃんが可愛くって、駆け下りる穂波ちゃんに両手を広げてみせるとそのまま穂波ちゃんが胸に飛び込んできた。
その光景を苦笑いして見守る勇介(笑)。