-部恋。Round.03-
しまった…。
お母さんいるんだったら、こんなに騒ぐんじゃなかった…。
「穂波、母さんは?こんな騒いでたら気付くはずだけど…。」
「リビングにいない?」
「お母さーん?」
穂波ちゃんはリビングのドアを開けて探す。
「 はーい 」
遠くから小さく返事が聞こえた。
「庭でてたんだな。愛奈、こっち。」
勇介に軽く手を引かれ、リビングにつながる庭の方に連れていかれた。
お庭には春らしく、色んな花が咲いていた。
「愛奈ちゃんね。いらっしゃい。」
軽く汗を拭いながら、帽子を脱いで笑顔を見せた。
優しい笑顔…勇介のお母さん。