-部恋。Round.03-
勇介は呆れて笑うと、クッションを奪おうと掴みかかってきた。
「返せ!」
「やだ!」
クッションを引っ張り返そうとしたとき、手が滑ってそのまま後ろに倒れそうになった。
「危なっ……!」
勇介は私の頭に手を添えて、そのまま一緒に倒れてしまった。
「危なかった~。いま絶対頭打ってたぞ。」
「…すんません。」
「………。」
お互いに沈黙。
ハプニングからとはいえ、押し倒されてる状態。
勇介が髪の毛を少し撫でると、くすぐったくて笑ってしまった。
「こら、笑うの禁止。」
私は口を手のひらで塞ぐと、勇介は小さく微笑んだ。
そして、そのまま口を塞いでる手にそっとキスをした。
髪の毛が触れ合って、またくすぐったかった。