-部恋。Round.03-
「ほんと、最悪。」
溜め息ばかりつく勇介と家まで歩いて帰る。
辺りはもう真っ暗。
「しょうがないじゃない、スネ夫くん。」
「久々の休みだったのにー。」
あれから二人きりの時間はなく、結局あっという間に過ぎてしまったのだ。
「またデートしよ?ね?」
「知らなーい。今度なんて、もうないかも。」
「スネ夫くんのこと大好きなのに?」
「スネ夫が、でしょ?俺、勇介くんだもんね。」
「拗ねないでよ、スネ夫くん。」
「お前…、怒らせたいの?いま本気で拗ねてんだけど。」
勇介が立ち止まる。
私は勇介の手を握ると、何も言わずに歩き始める。