-部恋。Round.03-
私は手を引きながら振り返ると、拗ねていた勇介が小さく笑った。
「なんで彼女に手ひかれて歩いてんだろ、俺。」
「ひとつ言っていい?」
「なに。」
「拗ねてる勇介、可愛くて好きよ。」
「なんだそれ、うれしくねぇ~(笑)」
「ぎゅーってしたくなるよ。」
「じゃあしてよ。」
「おいで。ゆーすけくん。」
「俺は犬か(笑)」
勇介が来てくれないから、私から抱きついた。
ぎゅっとすると勇介の匂いがした。
優しくて暖かかった勇介のうちの匂い。
体を離して勇介の顔に手を添える。
髪を少し撫でで、頬にチュッとキスをした。
「あ。胸キュン。」
「恋する乙女だもんね?」
「もー、それ忘れて(笑)。」
呆れて顔を背ける勇介に私はまた頬にキスをしたんだ。