-部恋。Round.03-
-Story.2
春の新人戦が目前に近づいてきて、練習もハードになり休む暇もなく、ただ時間ばかりが過ぎて行った。
今までベンチ入り出来なかった人はもちろんベンチ入りを目指して…。
今まで先発メンバーに選ばれていた選手は他の選手たちに抜かれないように…。
選手みんなが必死に練習に励んでいて、こういう時はマネージャーは陰ながらサポートするのが一番大事なこと。
誰かを特別扱いするのではなく、ただ選手たち全員のサポートをすること。
だから勇介や健ちゃんにだけ声を掛けたりなんかしない。
でも視野を幅広く見るなんて簡単にできたら、何も苦労しない。
だから試合が近づくと、私は人一倍おとなしいかもしれないんだ。
マネージャーの仕事が少しだけ落ち着いて、ようやくグラウンドのベンチに腰をかけた。