-部恋。Round.03-


「それじゃあ…いってくる。」

「うん。行ってらっしゃい。」

どこか寂しそうな勇介の背中を後ろから見送る。
勇介なら、勇介だから、きっと大丈夫。


開会式が開かれたあと、最後のミーティング。

「やば、俺まで緊張してきた…。」

隣で顔を強張らせるアキラくん。

「マネージャーなら胸張って選手を送るの。ひとつも不安なことなんてない。」

「そうっすね…。」

「って言い聞かせてるだけだよ、私だって心臓張り裂けそう。」


1年生のみんなは初めての大会。

でも私たちだって緊張はする。きっと他の学校だってそう。
冷静になったもん勝ち。

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