-部恋。Round.03-
あっという間に季節は夏。
暑い練習の中、夏休みが始まる前に監督が部員を集めた。
「うちでは初の合宿を行うことになった!」
「 合宿っ!? 」
ただの旅行気分で喜ぶ部員もいれば、休む間もなくサッカー漬けになることを考えゲッソリする部員もいた。
「昨年に比べると1年生の数も少ないし、人数少ない分フットワークも軽くなる。合宿に行けば、チームワークも深まるし良い刺激にもなる。俺も鬼じゃないから、時には夏らしく遊ぶ夏もいいかな、と。」
そう監督が言った瞬間、部員の顔がパアっと明るくなり大騒ぎ。
「監督っ、一生ついていきます!!」
「監督!お菓子は何円までですか!??」
「監督!夏の思い出づくりに彼女同伴はダメですか!??」
テンションが上がるあまり口々に監督に質問攻め。
嬉しそうに発表した監督の顔は一変。
部員の顔を青ざめさせるほどの説教が始まったのは言うまでもない。
根は優しいが、やはり監督は鬼に違いないと全員がそう感じたのだった(笑)。