-部恋。Round.03-
遠足を待ち望んでたみたいに、あっという間に時間が過ぎて行って合宿当日となった。
天気は快晴。今年も暑い夏がやってきた。
「さぁ、出発~!」
バスに乗り込み進みだすと、山々を見渡すような自然な景色に変わり思わず合宿ということを忘れてしまいそうだった。
着いた場所は緑あふれた木造のあたたかな施設。
坂を上ったところに広いグラウンドがあると監督が教えてくれた。
施設の周りには建物が一切なくて、練習に集中するのはもってこいの場所だ。
緑に囲まれた場所で大きく深呼吸。気分がリセットされるようだった。
「すごいいい場所だな~。」
隣の健ちゃんが一緒に深呼吸をすると優しく微笑んだ。