-部恋。Round.03-
「山の中だからか少し涼しいよね!練習に励めそう!」
「最初はみんな嬉しそうだけどさ、きっと合宿後半は周りになにもなさ過ぎてノイローゼになりそう(笑)。きっとここ電波も入りにくいぞ。」
そう言われて携帯を取り出すと、健ちゃんの言うとおり電波はアンテナ1本と圏外を行ったり来たり…。
施設に入り、それぞれが部屋に3~4人で振り分けられ私はもちろん一人部屋。
荷物を置いて着替えると早速練習に入った。
監督から毎日の日課でグラウンドまでの移動は坂道ダッシュだと告げられた。
アキラ君は走る気満々だったので、私も一緒に走ることに。
着いたグラウンドは、新しく出来た場所のようで部員が大喜びしていた。
綺麗な芝生、新しいゴールに、ピカピカに真っ白なベンチ。
どれも初めてなことばかりでわくわくが止まらない。
いつもより張り切って仕事に励む。
学校ではドリンクを作って運ぶことが一番大変な中、グラウンドの傍に給水スペースがあり製氷機・水道完備!
至れり尽くせりとはきっとこのことだ。
部員達もいつもと違う環境に思わず嬉しそうで、合宿の意味がすぐに分かった初日になった。