-部恋。Round.03-



「電気つける?暗いよな。」

勇介はそう言って電気のスイッチに手をかける。



「ごめん、勇介。急に明るくなったら目が慣れなくてふらつきそう。そこのスタンドランプ付けてもらっていい?」


少し離れたところのスタンドランプを勇介がつけると、オレンジ色の優しい明かりが部屋を照らした。

暗くて気付かなかったけど、勇介の髪の毛が濡れていることに気付いた。

「勇介、髪の毛濡れてるけど…」

「あ、大丈夫!汗じゃないから!」

そういう問題じゃないけど…と突っ込む隙もなく勇介が続ける。



「練習投げ出したかったけど、そういうわけにもいかなくて今日は終始上の空!練習終わって向かおうとしたら健に『そんな汗だくでお見舞い行ってもありがたくもなんともない』って言われてさ。シャワー浴びてそのまま…です。」

話しながら申し訳なさそうになる勇介が可愛くみえて思わず顔がほころんでしまう。


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