-部恋。Round.03-
「またアキラかよ。」
振り向くと勇介がいた。
「わっ、いつからいた!?」
「俺見失うほどアキラのこと見てたんだな、お前。」
勇介は私が座っているベンチに一緒に腰かけた。
当たり前のように隣に座る勇介に一年前の私は想像できただろうか。
「練習抜けてなにくつろいでんの。」
「ちゃんとメニューこなしたから、ショートブレイクです。」
「そうですか。」
「そうですよー。」
「お前、最近アキラのこと見すぎじゃない?」
「そう?」
「やだなー。俺、落ち着かないもん。」
最近勇介はよく拗ねる。
それをヤキモチだと私が喜ぶと勇介は全力で否定するのだ。