-部恋。Round.03-
演奏を終えると5人はサングラスをはずし、観客に向けて投げていた。
勇介は2階を見上げ、遠くでも目が合ったのが分かる。
勇介はニッと笑ってピースサインを見せた。
「…ノックアウト。」
潤ちゃんはその一言はしっかり聞こえたようで、
「ここの彼女のろけてるぞー!!!」と指さして勇介に叫んだ。
「聞こえなーい!」と勇介は笑って首をかしげていたが、私がポ~っとのぼせているのを潤ちゃんが揺さぶるのを見て何となく伝わったようだった。
そのあと、私は本当に少しのぼせちゃったようでぼんやりとしか記憶になく上の空で、いつしか私もステージ発表の時間になってしまった。