-部恋。Round.03-
「…ゆうすけ!」
「ん?」
「とにかく屋上集合!!」
私はそう言って勇介の返事も聞かないまま電話を切った。
私は視線を避けるように衣装の照れくささを走りに変えて屋上へ急いだ。
屋上に着くと秋の風が肌寒くて腰に巻いていたブランケットを肩にかけるようにして小さくしゃがみ込んだ。
「さむー…。」
走ってきたから早く着きすぎた。
私は少し後悔しつつ、ブランケットの暖かさにそっと目をつぶった。
「…愛奈??」
後ろで声をして立ち上がると勇介がいた。
「良かった、愛奈じゃなかったらどうしようかと思った。」
勇介はそう笑って歩きすすむ。
「ジャーン!」
私は体に包んでいたブランケットをほどくと勇介は驚いたように立ち止まった。