-部恋。Round.03-
新人戦の対戦トーナメントが決まったということで、監督に全員が呼ばれた。
「また、如月高校とは違う組だったぞ。」
その一言に部員たちはざわついた。
如月高校…、先輩の引退試合で戦った高校だ。
強さに差はなく、他でも話題になるくらい毎回接戦なのだ。
サッカーの神様は試合を面白くしたいのか、必ずといっていいくらいトーナメントは別になる。
互いが決勝戦まで残らない限り、戦えないのだ。
「あともうひとつ、報告がある。」
そう監督は言って、少し笑みを浮かべた。
それと同時に健ちゃんが監督の隣に並ぶ。
「えっ、なに!重大発表!?」
「ついに彼女できたか(笑)!!」
部員たちは健ちゃんを好き勝手にからかった。
そんな部員たちの言葉に健ちゃんはひとつも顔色を変えず、咳払いをした。
「お前らよく聞けよ。俺たちの相手は如月高校だけじゃねぇ。他の高校だって俺たちみたいに毎日必死に頑張ってんだ。絶対に気抜くなよ。そんで…お前ら俺についてこい。」
そう言って健ちゃんはかっこつけて微笑んでみせたが、隣の監督に頭をぶたれていた…(笑)