お願いだから、信じてよ。
『遅いよ。』
「ごめんね?また朝に負けちゃうところだった。」
ふにゃっと笑い私の頭をよしよしとなでるこの男は、
ふわふわの栗色の髪にパッチリ二重の目、女が恨めしがるであろうすべすべの肌にスラッとした体型…まぁ世に言うイケメンであり、この辺りでは王子様と呼ばれている。
……私の幼なじみである。
『ごめんねじゃないよ。私じゃなかったらいくら幼なじみでも普通置いて行くよ?』
頭の上の手を退けて少し不機嫌に言ってみた。
「感謝してるよ。いつもありがとう花。」
『…ばか春。』
困ったように笑う春を見ると少し泣きそうになる。
これじゃ私が逆に春に迷惑かけてるみたいだ。