愛して野良猫
「……浬音さんっ‥なんで僕はこんなに、臆病なの…?なんで‥浬音さんみたいに……なれないのっ?」
僕は答えてくれるはずのない
浬音さんに問い続けた
暫くすると雨が降り始めた
まるで……
僕を哀れむかのように
「…会いたいよ‥浬音さん」
僕は雨が降り続く空を見上げた
…このまま、洗い流して
僕のこんな感情‥
洗い流してっ
「ニャアー」
「え‥」
「ニャアー」
僕は振り返った
そこには真っ黒な猫がいた
僕は黒猫に近づいた