愛して野良猫


俺は静かに刃から離れた



俺は父さんの部屋を出ると


世話係に車を出させ

ある場所に向かった



途中で父さんの乗っている車を見つけたが


俺は見ぬ振りをし


目的に向かった



誰にも邪魔されず

1人になれる場所‥



「浬音…」


俺は浬音が眠る墓の前に立つ



「頭…コレを」


世話係が俺に綺麗な花束を差し出す


俺は受け取ると、世話係をみた



「頭が親父様の部屋に入られた後、買いに行ってきました」


「なぜ…」


「頭が浬音様に報告なさるだろうなと……ご迷惑でしたか?」


「いや……助かった。ありがとうな」



俺が世話係に礼を言うと

世話係は小さく微笑むと

車に戻っていった



俺は貰った花束を墓にそなえた


「…浬音………俺はお前がくれたチャンスを無駄にはしない……」
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