愛して野良猫


「僕は玖音さんに伝えてないことがあります。まず名前です。僕の名前は雷揆リオン」


リオンは淡々と言う


「父さんに聞いた」


「…僕にはやらなければならない事があります」


「やらなければならない事?」


リオンは小さく頷く


「僕は…玖音さん、貴方を消さなくてはならない」


「…そうか」


「…でも……僕にはそれができない」



リオンはゆっくりと目を閉じた



「僕は玖音さんを――…‥」



リオンはパッと目を開け


俺を見た



「‥守りたい」



リオンの言葉が俺の耳に届くと


強い風が俺とリオンを包んだ



「僕が……シナリオを変える」
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