愛して野良猫


「…………報告しないとな‥」



少年はカメラをしまった



男達は遙か遠くにいる



少年の呟きも‥


儚いシャッター音も…


彼等の耳には届かない




「或さん…浬音さん……」




少年は空を見上げた



真っ青な空は…


少年を優しく包み込む‥




「貴方達が何故生まれ変わったのか……俺には疑問です」




少年の悲しみの色に染まった瞳は


空を虚しく映す……
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