愛して野良猫


「リオン?」


「…僕、前世のこと……思い出したい‥」


「え…」


「この頃…夢を見るんです」


「…夢?」




リオンは小さく頷くと


また口を開いた




「綺麗な真っ黒の猫が、僕に言うんです。『いつまで寝てるの…早く起きなきゃ……』って…そして‥」


「…そして?」


「真っ白の猫が『…忘れないで……僕を思い出して…』って」


「黒猫と…白猫か」




リオンはまた頷いた



黒猫と白猫が言っているのは


浬音のこと…なのか?
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