王子様の秘書様
『ね、お兄。なんでこのクラス学年ごちゃまぜなの?』
「あーそれはね。VIPクラスだから」
VIPクラスとは?!
頭にクエスチョンマークを浮かべていると楓さんが言葉足らずな兄のフォローをしてくれる。
『VIPクラスはね、経済的にVIPかつ生徒会役員が強制的に振り分けられるクラスなの。あ、まどかちゃんは生徒会役員じゃないって顔してるけど王子は代々3年になると生徒会長になるのよ。だから、秘書であるあなたも自然と生徒会役員に組み込まれるの。』
ニコニコしながら、サラっとあたしの今後の高校生活のあり方を語ってくれた楓さん。
ありがとう、と普通ならいえるんだろうが
何しろ、あたしは兄から秘書になることを強制されたのだ。
迷わず、兄に捨て身タックルをお見舞いしてあげた。