お猫様のお気に入り
フライを食べ終えると、急に眠気が襲ってきた。
暖かい日だまりと穏やかな空気も手伝って、どんどん目蓋が重くなる。
遂に、村越 綾輔の隣で丸くなってしまった。
目をつむると、村越 綾輔が私を撫で始めた。
それが、あまりに気持ち良すぎて、村越 綾輔にすり寄る。
リョウ)「お前可愛いな。」
ごく自然に、村越 綾輔の口から放たれた言葉。
その言葉が、いつもとは違う声色だった気がして、こっそりと、村越 綾輔を盗み見る。
う・・・わ・・・・・
村越 綾輔は―――
今まで、誰も見たことのない
優しい笑顔を向けていた。