お猫様のお気に入り
今日も、今や恒例となった、村越 綾輔と過ごすお昼のために、屋上へと向かっていた。
−屋上−
村越 綾輔より先に着いたようなので、先に黒猫になっておく。
雲一つない空を見つめている事、数分。
ガチャッ
村越 綾輔が来た。
今日は、煮干しを持っている。
村越 綾輔に近づくと、頭を撫でられた。
足にすり寄る。
リョウ)「お前は、餌を持ってる時は簡単に寄ってくるな。」
と言われたので、
「にゃーん♪」
一応答えておいた。
それから、私は煮干しをもらい、村越 綾輔は購買で買ったらしいタラコのおにぎりを食べていた。
煮干しを食べ終わり、村越 綾輔の横で頭を撫でられていると、急に、微かだが、空気が変わった。
雲一つなかった空も、雲行きが怪しくなり始める。
リョウ)「・・・っ!なんだ・・・・・・?」
村越 綾輔も何かを感じとったようだ。
ふぅん?
さすが、神社の1人息子、ってとこね。
でも、感心している場合ではない。
多分これは――
妖気。