お猫様のお気に入り
・・・バケモノ、か・・・。
そりゃあ そうだよね。
リョウ)「天堂さん・・・?」
黙り込んだ乃愛に、綾輔が声をかけた。
・・・きっと、この男も――――
綾輔と屋上で過ごしていた事を思い出し、自然と落ち込んでいる自分に気づいた。
なんで落ち込んでいるの??
もう『バケモノ』だって言われてもどおってことないじゃない。
凡人には理解し難いのは解っていたじゃない。
あの頃のようにならないために、他人と馴れ合いなんかしてこなかったのに―――
ノア)「村越 綾輔、何があったか知りた「危ないッ!」
やっと口を開いた乃愛の言葉を、綾輔が遮った。
しかし、乃愛も普通の人間ではない。
綾輔に言われるより一瞬速く、奴の気配を感じとっていた。