お猫様のお気に入り




ノア)「コイツは、私がなんとかするにゃん!

だからはやく逃げて!」

リョウ)「何言ってんだよ!?
無理だろ、力が使えないのに・・・」

ノア)「はぁ?あんたバカ?

私は普通じゃないから、力が使えなくても多少は平気なのにゃ!」

リョウ)「でも・・・「いいから速く!!」


煮え切らない綾輔に、痺れを切らした乃愛が怒鳴った。




しかし、何かが切れたのは、綾輔も同じだったようだ―――



リョウ)「はぁ・・・つべこべ五月蝿い。

何もできない癖に無理すんな。」


ノア)「・・・は・・・?」



この男、本当に馬鹿なんじゃないだろうか―――



『何をしている?戦いに余所見は良くないわよ・・・』


幽霊がかなり近くまで来ていて、乃愛の肩に手をかけた。


ノア)「っ!」

まずいっ!!



リョウ)「乃愛っ!」


突然の出来事に、焦ったように綾輔が乃愛と幽霊の間に入ってきた。


綾輔が、乃愛を抱き締める形でしゃがみこんだ。


リョウ)「寄るな、消えろぉっ!!」


綾輔がそう言うと、強い光が辺り一面を覆った。



あまりの光の強さに、目を瞑る。


『うわあああああ』


幽霊の叫び声がしたかと思ったら、光は消え、幽霊も消えていた―――




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