男装美少女
女  晴side
【晴】




今日、男だと思ってた怜桜が、女と分かった。



分かった瞬間から、怜桜のことを、どうして男に見えていたのか分からなくなってきた。




それは、華奢な体だし、触ると柔らかいし、ブラコンだし、真っ赤になった顔とか、潤んだ瞳の上目づかいとか、すべてが可愛くて、そう思った瞬間から、怜桜のことを、独占したいと思うようになっていた。




俺は、年齢を隠して働いていたし、明日から、入学式だ。



蓮から聞いて分かったが、怜桜と、俺はどうやら同じ学校のようだ。




職場でも学校でも、会えるのは、4人の中で俺一人。




優越感に浸っているし、それなのに、スーパーに付いていくジャンケンでも、勝った。




運命だ。





しかも、上目遣いに耐えられず、キスまでしてやった。




可愛い。





見ててもぜってー飽きないぞコイツ。





俺がおとしてやるよ。



スーパーを出た頃には、もう夕方を越えていた。




そのために、街灯の少ないこの町は、とても暗い。



すると、



「はっ、晴君。手繋いでもいい?あたし、怖いの苦手なんです。」



何でか、分からないけど、って言うか俺が16歳のことを信じられないのか、敬語ですごく可愛いことを言ってくる怜桜。




キュン死しちまうよ。



でも、そんなこといえないから、冷静な振りして、



「別にいいけど。」



強がってみた。




怜桜が、人が一人通り抜けれそうな距離から、ピタリと、くっついてきた。




可愛い。





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