男装美少女
「どうしてすぐ赤くなるの?どうしてどんなに可愛いの?100文字以内で答えて。」



思い切り聞いてしまった俺。




もうちょっと遠まわし聞くべきだった質問、可愛いなんて自覚がないんだから、聞いても答えるはずがない。



「100っ!100文字っ。……しかも可愛いとか、可愛くないし、そっ、それに、男の人に触られるのが慣れていないだけで、晴君だから赤くなるって訳じゃないんですから。」



完璧に100文字以内で収めてきた怜桜。





「あとひとつ」




「まっ、まだあるんですか。」




ずっと気になっていた。




「俺、さっき、晴君♪で呼んでっていったけど、俺だけお前の事怜桜♪って呼ぶのはおかしいと思うからお前も今から俺のこと、晴って呼べよ。呼ばなかったらキスだから。」 



今日の俺は絶対におかしい。



怜桜のことしか考えていない。




店に怜桜が来てから、3週間たつ。



実のことを言うと、俺ら5人のほかに少し休みを取っていた、2人の従業員がいる。





もちろんそいつらは、怜桜が働いていることも知らないし、怜桜が、女ってことも知らない。




1人の、優って言う従業員にはばらしても別に問題ない。




だがもう一人、爽にはばれてはならない。




それは、あいつがオンナったらしの不良馬鹿だからだ。




ばれれば、怜桜が触られるのは当たり前だ。




一方、怜桜はと言うと、「晴、晴………。」




と、俺の名前を連呼している。





< 20 / 64 >

この作品をシェア

pagetop