男装美少女
「姉貴に教えてもらったんだよ。」




「晴?なんであたしの考えていることがすべてわかってしまうの?」




調子に乗り始めた晴が鼻歌を歌い始めた。




「エスパーだからだよ。って言いたいけど、怜桜が全部話しちゃってるから。」




あたしが!




全部っ!




「うるさいって」




もういやだ。





「あんまり暴れると色気のねぇパンツが見えるぞ。」




あれ?



今あたしに話しかけたのは、晴じゃない。




晴の声は、低くなく、高くなく、柔らかなとろみを持った声だ。




あたしは、ブレザーから顔を出すと、そこには懐かしい顔が合った。





「魁人!真央!」



あたしが引っ越してしまう前の近所に住んでいた、お兄ちゃんと同級生の、さっきの声の主、
朝比奈 魁人、と、その彼女、明智 真央がたっていた。





「って、嘘っ」



魁人と真央に驚いたおかげで、自分のスカートの事を後回しにしてしまった。





「これはこれは、朝比奈先輩に明智先輩。朝からラブラブで。」





なんか機嫌の悪いような声がしていて、晴は、もう一度お兄ちゃんのブレザーをあたしにかぶせた。
< 39 / 64 >

この作品をシェア

pagetop