ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「はぁ〜。」

清水を見て、
杉山は天井を見上げた。

「一応、俺もしとくか。」

杉山は、ボールを握る右手に願掛けするつもりで、右の手の平に字を書いた…。

『んっ!?』

準決勝の時に感じた違和感をまた感じた。

右手小指の下辺りを摩ってみた。
手の平の奥に何かあるような、ないような………。


「どうかしたか?」

「いや、マメかと思ったけど、違う。大丈夫大丈夫。」

清水の問いに、答えると杉山は笑ってみせた。
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