ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
1時間後、手術室の控室から、さらにドアを1枚隔てた廊下に奈月の姿はあった。

家族なら、控室に入る事ができるが、今の奈月にはこの場所が、
一番杉山の近くにいられる場所なのだ。


「こんなに長いなんて…。」。

奈月は、壁に背中を預けてズルズルと滑り落ちるように座り込んだ。
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