ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「今は麻酔で朦朧としているけど、大丈夫だから。今夜は病室に帰って…。充君と話せるようになった時に、奈月ちゃんが寝込んでいたら意味ないよ…。」。
最後はもう振り向くように話しかける藤崎に、
「うん…、わかった…。」
と、奈月は短く答え、遠ざかる杉山を見送った。
その杉山の手術した右手は、肘から手の先まで包帯で固定され、
点滴台に吊されていた。
それを見た奈月は、ある考えを拭えずにいた。
『あれじゃ…投げるどころか…、動かせるの?』。
最後はもう振り向くように話しかける藤崎に、
「うん…、わかった…。」
と、奈月は短く答え、遠ざかる杉山を見送った。
その杉山の手術した右手は、肘から手の先まで包帯で固定され、
点滴台に吊されていた。
それを見た奈月は、ある考えを拭えずにいた。
『あれじゃ…投げるどころか…、動かせるの?』。