ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「ガングリオンだね…。」

医者の言葉に、杉山は目の前が暗くなった。


「野球は…。」

「痛みを感じるまで、酷くなっている以上切開しないとね。」


近くの町医者の診察に、杉山は落ち込みながら自分の右手を見た。

小指側の手の平側面に直径1センチ程の脂肪の塊があった。

これが、ミートの瞬間にバットのグリップにあたり痛みを引き起こしたのだ。
< 23 / 565 >

この作品をシェア

pagetop